緊張感から解放〜リラックスの場へ

緊張感から解放〜リラックスの場へ | リノベーション

素材の性質や見た目、身体との相性で中霧島壁を選ばれました。

体の異変から様々な対策をされていましたが、改善されずシックハウス症候群や化学物質過敏症の疑いがありました。

5年ほど前建設されたマンション。今までは長時間この家で過ごされることはなかったようですが、コロナ禍でこのお部屋でお仕事をされる時間が増え、身体に異変を感じるようになってしまいました。 眠りが浅い、鼻炎や目ヤニ、咳が辛い、体の一部が痺れるなど。体の異変から様々な対策をされていましたが、改善されずシックハウス症候群や化学物質過敏症の疑いがありました。原因が特定できない分、とにかく辛い症状です。近年、住宅の高気密化などが進み室内は24時間換気の設備も整ってはいましたが、現地調査をさせて頂いた時は特に収納や洗面化粧室の中が接着剤や建材の臭いがこもっている状態でした。
調査後、オーナー様のご要望はビニールクロス部分を漆喰壁に変えて、化学物質を室内から減らすということでした。 ビニールクロス自体よりも壁紙を貼る接着剤に原因があると私たちは考え、既設の壁の解体し新しい下地も入れ替えることがベストと考えましたが、できるだけ工事を最小にしたいというご要望で既設の状態で、身体が反応している化学物質を抑える素材と施工方法を考えました。

オーナー様に色々な素材でテストをしていただきました。素材だけでなく、施工後の状態に近いサンプルを寝室に置いて過ごして頂いたり、漆喰を施工中の現場に来て頂いたこともありました。居住部分ではないお部屋でテスト施工もしました。身体に合わない場合、解体することも考えましたが、結果大丈夫でしたのでぴったりの素材が見つかり、本当に良かったです。
最終的に壁、天井は既設のクロスの上から、中霧島壁を施工させていただくことになりました。

中霧島壁とは鹿児島県から宮崎県南部にかけて、最大150メートルもの厚さでシラスが積み重なっている広大なシラス台地からとれた素材でいっさい混ぜ物がない100%自然素材。2万5千年もの間、人類と共存してきた火山噴出物シラスをさらに微粒にし施工もしやすい素材です。 漆喰との違いは、漆喰は漆喰単独では固まらないので糊が混ぜられていますが、シラスは何も混ぜませんので、ほとんどにおいがありません。この他にも細かな違いはありますが、素材の性質や見た目、身体との相性でこの中霧島壁を選ばれました。


『施工前』

室内は常に清潔な状態。無駄な物も置かれない様にされていました。

  

『施工準備』

オーナー様の要望で最小限の施工量、期間がありました。無理に取り外ししなくてもいい物はそのままで施工。


コンクリート壁のクロスは上から中霧島壁を塗ると剥がれる可能性があるので、クロスは剥がします。


食器、食材の収納庫内も中霧島壁を塗るために、既製品の家具を取り外します。

 

『中霧島壁施工』

中霧島壁は乾燥が早く、風を当ててしまうと色むらの原因になります。施工中は室内をなるべく無風状態にします。


マンションは梁が多いので、きれいに角が出るように丁寧に下処理をします。

『施工・その2』

中霧島壁の施工が完了した時に、オーナー様からトイレと洗面室の床の接着剤のような匂いが際立ってきたので張り替えてほしいとご依頼いただきました。
トイレ、洗面室は面積が狭いため、湿気や匂いがこもりやすいので、床は杉とヒノキの無垢材に張り替えします。


下地材も接着剤を使わない無垢の下地材で施工します。

『完成』

仕上がりはビニールクロスとは違い、空気がクリーンになります。調湿効果も高いので、この施工中は8月でしたが床のベタつきがなくなりました。中霧島壁は硬い素材ですが、塗り柄であたたかみのある素材感に。

寝室とクローゼットの壁と天井も中霧島壁を施工。オーナーの体調不良からの不眠も解消され、目覚ましが鳴るまでぐっすり眠れるようになったそうです。

『キッチン収納』

中は中霧島壁、扉は杉の無垢材。自然乾燥の愛知の杉は湿度で反ったりしますが、中霧島壁で調湿するので反りも最小限に。
何より雰囲気が変わりアクセントにもなります。木の香りも爽やか。

仕上げはカーテン。リネン100%のカーテンは優しい光を室内に入れてくれます。カーテンはポリエステル素材が多いですが、静電気が起きてホコリや汚れが吸着します。リネンやコットンは風合いも良く長持ちしますが、洗濯をすると繊維がちぎれてホコリがでやすいデメリットがあります。どちらもメリットデメリットはありますので生活スタイルや環境に合わせてお選びいただけます。

 

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