Jutta Hipp · Zoot Simsはブルーノート1500番では珍しいアルバムだと思います。
ウエストコーストジャズのジャンルに入るズート・シムズがブルーノートに登場しているし、リーダーはドイツ人ピアニストのユタ・ヒップでカルテット編成。
ドイツ人とジャズってイメージに合わないんです。
Jazzは即興演奏そのもの。
アドリブだらけでクラシックのような一糸乱れぬ作りこみは一切なし。アーティストが場当たり的に奏でるんだから、同じ曲を同じメンツで同じ時期に演奏しても全然違って聞こえます。
よくCDに同じ曲名でtake1、take2とありますが、聴き比べると違いが分かります。
心地よいと聴こえてくるものをアルバムにプレスし、没にしたものは再発の時にCDで出たりします。
ある意味いい加減なjazzを「勤勉で生真面目」「秩序を重んじ、ルールを大切にする」というイメージが先行するドイツ人がJazzピアノ弾けるの??と誰でも思ってしまいます。
実際聴くとリーダーのユタ・ヒップは目立たず、テナーサックスのズート・シムズが露出している。
ズートのアルバムと言っていいかも。
ユタは個人的な感じ方ですが、硬いんです。
ドイツ人のイメージとリンクします。
でも人気盤。
録音が粒やか。
ブラシがテナーサックスの上でサクサク飛んでいるかのような録音で私は大好き。
私が所有しているのはブルーノートではなく、UA盤の再発。
再発でも素晴らしい音が届きます。