うえやま建設 植山ノブオが建築や日々の出逢いを語ります

築72年の木造家屋の見事さ

築72年といえば、昭和27年新築の建物。

軒桁が磨き丸太。丸太の木口に銅板巻込み。

勾配に流れる垂木にも磨きの小丸太、その上に桧の横桟+桧の羽目板。

丸太を使うのは数寄屋造りを得意とする大工の技ですよー。

風雨にさらされて色が変わっていますが、腐りはなし。
木は濡れても乾けば劣化しないからです。

内部。

松丸太に杉の梁をかけて垂木を流し、野地板はそのまま化粧。

昔は台所で使っていたそうです。当時はガスコンロなどはなく、煮炊きは薪。天井の色は煤がついた色です。

木に煤がつくと防虫効果が出てきます。
倉敷の黒塀は板を焼いて表面炭化したもの。これと同じですよ。

外壁の一部に下見板が残っていました。
柱に杉の幅広板を上から貼っていくというシンプルなつくり方ですが、これも表面炭化して劣化無し。

昔の日本の家ですよね。

昭和27年といえば、建築資材不足も甚だしい時代だったはず。木材は貴重品だったと聞いたことがあります。聞くところによると、近くの山から伐り出して建てたとのとこと。
山を所有されていたからこその新築だったんでしょうね。

歴史を紐解くと面白いものです★

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