先日の呉訪問では素晴らしい日本建築にも巡り合えました💫
外壁はモルタル引き摺り仕上げ。
櫛引きとも言います。真っ直ぐじゃなく微妙に曲がっているのがとてもいいね。
開口部は細竹を重ね、藤の蔓で絡げた藤蔓巻き。劣化して無くなってるところがあるけどね。四方の角を丸面にしてる。これも日本らしい仕上げ方。
柱は根継ぎしてある。金輪継ぎ。下が腐ってもこのように直せば元通り。日本の建築技術は素晴らしい。
今、これができる大工さんは1割もいないぞよ。昔は当たり前だったのにねぇ…
大工の仕事を簡素化して作業員化したこの業界は文化よりも金が先になってしまった。残念至極。
甍型にしたスレート屋根。天然スレート。本物の石です。
これに似せたものがコロニアル瓦と言われるセメント成型瓦。塗膜が劣化すると繰り返し塗装しなくちゃならない。大変。本物の石だから半永久持つ。会社のモデルハウスには本物の石屋根を使っていますぞ。
数寄屋風に作られた広縁の天井。
斜めに走る隅木に配付垂木が見事に配置。配付垂木はこれです(ネットから拝借)
隅木も配付垂木も見えるので隙間なく取り付けるのが大工の技。
こういうものを見ていると木とずっと向き合って生きてきた日本人の奥深い文化を感じます。
大工だったらこういうのができて一人前なんだけど、最近はできない人たちが大半。
そういう本物の大工じゃないとできない家が無くなってしまい、学ぶ機会もないという事。
多くの人たちがこのような建物を見て美しいと思う。ならば自宅にもと思ってほしいな。