インスペクションではありませんが、簡易で主要部分チェック。
床下を見ればほぼ全体像がわかるので、一番重要視しているのは床下です。
写真の書いた通りの内容ですが、根太のアピトンという材木は昭和40年代から50年代後半まで頻繁に使われていた南洋材です。硬くて重くて耐荷重に粘る強い材。南洋材伐採問題が起きて無くなりましたが、私が大工をスタートしたころは本当に多かったのを思い出します。
トラックの荷台によく使われていた。水にも強い。
大引きが米松というのはまだ新しいのですが(私たちは桧材オンリーです)、リフォームしたように見えないし、ちょうど米松材がたくさん使われる時代であったことも確かです。
松は圧縮強度に優れるから上から荷重がかかる部分に使うのは正解。
そして畳下地に使われている杉の源平材が全く劣化無し。
やはり無垢板は偉大です。
無垢板を下地に使っているとほぼ劣化がない。
私たちも畳下地は杉源平を使うことが多いですが、昨今は15㎜厚でも畳ができることでプラットホームの床下地にフローリングと畳を直接載せてフラットにする形が多くなっています。
今つくられる建物の床下は乾燥しきっているので劣化の心配はありません。
過去の建物を見ると、知恵が詰まっている。
この知恵を継続しないと日本の建築という文化が無くなってしまいます。
無垢材を使えば文化が残る。
フローリングや羽目板だけ使っていても文化は残りません。
見えない所の部材が大切。
どういう樹種の材をどの部位に使うかという適材適所、材の反りむくりを見たうえで配置を決める大工の知恵など散々叩き込まれた若かりし頃。
理由が全てにあって理に適っていた。
木造建築を通した文化を残すために妥協なくやります。
すぐに気密とか出てくるけど、その前にもっと考えなきゃいけないことがある。
気密より断熱(国の方向は圧倒的断熱性能で気密高めても暖かくなるわけではないよ)、人工的な木材より無垢材、取付作業員ではなく本物の大工・・・こんなことをすぐに考える私です。