8月から10月ぐらいまでは工務店にとって厄介な季節です。
台風で現場の養生がすごく大変になるのです。
足場シートをたたむ、外部の資材を養生する、仮設トイレなどの仮設材が飛ばないようにする、などやることがたくさん。
一つの現場ならまだしも、複数あると対応がこれだけで終わってしまいます。
これを毎年繰り返しているので台風に関しては最低限の知識は得たかな?
今回の迷走台風6号。
九州直撃みたいですね・・・
この進路をとると四国、広島、岡山、鳥取あたりが最も風が強くなる地域になる。
これだけ名古屋から離れているとこの地域はそれほどの心配はないと思います。
名古屋から見て一番怖いのは、紀伊半島を通るコース。もう63年も前ですが伊勢湾台風はこの進路。
紀伊半島に上陸し、名古屋直撃。
私が生まれる1年前のことで、伊勢湾台風のことは多くの人から聞きました。
特に名古屋市南区で仕事をする時は、この辺りは水がここまで来て・・・だから家を嵩上げして建てているんだとか、貯木場の丸太が堤防決壊で流れ込み、あの空き地になっているところは丸太で押しつぶされた家があったとか・・・電柱(当時は電信柱と言って杉の丸太でした)が大きく揺れて真ん中から折れ、電線が千切れてあちらこちらで火花が出ていたとか・・・想像もつかないことばかりでびっくり。
今は予報がすごく細かくされているので事前の避難も可能だけど、当時はまだそこまでの予報はできなかったので被害も大きかったようです。
台風が襲来して現場で一晩過ごしたことがあります。
当時は土壁の家。建てて土壁を付け、屋根は瓦を載せたばかりの時に台風襲来。
重たい上に筋交いなど耐震的な工事はこれからという時期。仮の筋交いしか打っていないので強風であおられた倒壊しやすいのです。
内部に丸太でつっかい棒みたいに何本も支えをつくり、万が一丸太が外れた時でもすぐに修復できるよう現場にいたのです。
これは怖かった。
親方の執念も見た。かっこよかった。建てている間は俺の家だ!!!というプライドがかっこよかったなぁ。
最近は現場で一晩ということもなくなりましたが、台風は工務店の天敵。
来るたびに心がグレースタンプで一杯になります。
今回の台風も被害が出ないことを願っています。