今年一からスタートした大規模リノベーション。私たちが20数年前に建築させていただいたオーナー様のお宅です。ほぼ同時期に新築をさせていただいたオーナー様のところで同じような思いで、我が家を素敵な形にしたいと言う子依頼をいただいてご提案をさせていただいてます。

同時期と言う事は同世代。ちょうどリタイヤを迎える年齢です。これから20年、30年と笑顔で過ごしていくためというお考えでお声をかけていただいてますが、どちらのオーナー様もご夫婦の雰囲気がすごく素敵なんです。

結婚、子育て、会社の中の立場も上がり、責任が増し、たくさんの重圧の中で子育てを終え、夫婦2人だけの単位に戻る。

全てを乗り越えてきたんだろう、この言葉が全てを表します。全てを乗り越えてきたからこそ、ご夫婦の笑顔が全てを達観したようで、温かく、優しく、だけど言葉に力がある。とってもかっこいいです。

これが本当の豊かさだと思います。

豪邸に暮らす、高級車を乗る、高級なレストランに行く、そんなことよりもはるかに豊かな日々の暮らしがこのオーナー様にはあります。

ご夫婦の会話1つ聞くだけで非常に温かみがある。お互いをしっかりと認めあい、お互いが精神的な自立がしっかりしている。こんな姿を拝見するたびに我が家はどうなのかなと強く感じます。

本当の豊かさとはこんなところにあるんではないでしょうか。

不動産の仕事をやっていると、築数年の立派な家が売りに出されており、訪問すると家の中はぐちゃぐちゃ。乱れ切ってとても買ってもらおうと言う雰囲気は無い。売ってやるから、誰かが早く買えと言わんばかり。

この光景1つで、互いに認め合うどころか、反駁しあって自分の主張ありきで生活してきたんではないかと思います。それではうまくいくはずがありません。

本当の豊かさとはなんだろうといつも考えさせられるこの仕事です。