デザインではありませんが、昭和では当たり前に施工されていた鴨居・無目の垂れさがり防止の工夫が以下の写真です。
解説を入れた写真。
鴨居の上に力貫という貫を入れます。両端の柱に穴を掘って差し込んで楔と釘で止める。
そして鴨居をメカスという金物で吊り上げて下がり防止をする。
当時はこれが当たり前。
無しでやっている大工を見たことがあるが、それなりの大工だったよ。技術足らず。
メカスで吊り上げることによって鴨居も垂れ下がりを防止。
鴨居の下にある建具が動かなくなるのを防ぐための細工です。
1本記念に持ち帰り、設計さんに渡してあげた。
知らないので感動していたぞよ(笑)
そりゃ知る由もないはず。もうこの仕事の仕方は昭和60年前後で消えているもの。
それに代わってやりだしたのがビス止め。釘かビスへ変わってきたのもこの時代。
ビスだと釘と違って抜けたり浮いたりしないから質的には変わらないです。
だけど、先人たちが工夫してきたものが消えていくのは残念至極。
とても素晴らしい工夫だもの。
木造建築のことを熟知した熟練大工の工夫。
お城なんか行くとこれが当たり前だよ。メカスは見えないけど、ちゃんと鴨居を吊り上げている。
ネットで今でも売られているみたいだけど、金物屋にはない。時代は変わったねー。