昔は室内建具の下にこんなパーツを付けるのが上等な仕事でした。
沓摺と言います。
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複雑な形状ですが、これを昔は大工が加工して削って取り付けていたのですよ。
図面にするとこんな風。
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沓摺にフローリングが差し込んであるので、隙間が出ない。ギシギシと鳴ることもない。
このように昔は洋室でも上等な仕事が当たり前でした。
一軒でドア建具が10本あるとするとこの沓摺を10個つくる。手間がかかるのです。
L型になっている部分は五徳かんなで削ります。
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L型やフローリングを差し込んでいる溝を加工するために電動溝付が必要。
1本の細工で様々な加工が必要になります。
きれいに仕上がったときは嬉しいものですよ。
今回リノベーションをするお住まいにこれがあり、とっても嬉しい限り。
このお住まいは勿論床下・天井裏もチェック済み。
とてもいいです。
築年数が古いから建替えた方がいいという言葉をしょっちゅう聞きますが、そうじゃないよ。
昔の家は今の家より質が高い。
大工の質、材木の質、揃っている。
そういう家を築年数が何だかんだで壊してばかりでは文化の崩壊です。
古民家だと大切にと言う割には、街中にあるしっかり作られた民家は壊した方がいいという。
それは全て自分の利益のためだけで言っている。
文化を考えてほしいものです。
木の文化が脈々と続いたこの国です。
手練れの大工さんも激減し、沓摺一つの細工もできなくなっている。
残念過ぎます。
沓摺一つ、侮るなかれ。
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