メルカリで購入した冲方丁さん著作「天地明察」を少しずつ読んでいます。
と言っても1日50ページぐらい読破するのであっという間に終わりますが。
天地明察の主人公は渋川春海という実在した人物。戦乱の世の名残がまだ残る1650年頃の話。
幕府のお偉方たちと囲盤と向き合って試合をし、指南する家に生まれた彼は暦を大改革することになります。
そのストーリーが描かれていてとても面白い。
確か映画にもなったよなー。
中国の暦を何百年も使っていたこの国。
日食、月食の日がずれたりと合わない所が出てきて、新しい暦をつくれと指令が出され、没頭する春海。その闘いが綴られた作品。
昔の暦には「この日は不吉だから仕事をしないほうがいい」とかある。
現代の暦には不成就日とかあるのは、同じこと。
種を撒く日にしてはならないとか、外出してはならないとか日常の行動の多くを暦を軸にしていたのが明治以前の日本。
自然とともに生きてきた昔の日本人は一年を二十四節気に分け、立春、春分、夏至、冬至などを目安に暮らしをつくってきたわけです。
calendarとは少し異なりますね。
暦は陰陽師も活用。今大河ドラマ「光る君へ」では安倍晴明役でユースケ・サンタマリアが出ていますが、絶大な権力を誇っていたのは、この暦と天体観測で朝廷の行動へのアドバイスをしていたからです。
神に畏怖の念を持ち、自然とともに生きた往時の日本人だからこそ必要だった陰陽師。
天地明察では中国の暦を改め、日本独自の暦をつくることに奔走した渋川春海を描く。
大和暦として朝廷に奏上したものの、最終的には貞享暦として発布。
この貞享暦は宝暦暦に変遷し、寛政暦、天保暦、そして今の太陽暦に微修正されて今に至る。
普通に暦を見たり、カレンダーで仏滅だの大安だの言ってる私ですが、こんな変遷があるとは驚きました。江戸期にはこの類の優秀な人材がたくさん輩出された。
伊能忠敬然り、算術の天才関孝和、平賀源内など数多。
幕末に行くと大村益次郎という軍事の天才まで出てきます。
江戸期の人たちをいろいろと知りたい気分です。