工務店母体の不動産屋の強みは「建物のことを熟知していること」に尽きると思います。
工務店とは家の新築、リフォーム・リノベーションの企画提案施工をしたりする会社です。
新築する際は、日当たり、風の通り、ご近隣の状況(窓、室外機、給湯器、境界からの離れ、高低差など)をチェックし、設計します。
リフォーム・リノベーションをする際は、取り外していい壁なのか?柱なのか?今までの下地類は使えるのか?シロアリは大丈夫か?基礎は劣化していないか?屋根、外壁はどうなのか?を一通りチェックし、提案していきます。今まで当たり前にやっていたことが、この頃ではインスペクション(既存住宅状況調査)と言う資格を持って行うことが増えています。こんな風にネットでアップされています。
今年に入ってもう5件の案件をインスペクションさせてもらいましたが、どれも施工レベルが良くてチェックしていて楽しかったです。インスペクションではなく、購入希望されている不動産物件をチェックに行く時も基本はインスペクションと同じ見方です。報告書を作成しないだけで口頭で伝達になりますが、それはご自身の建物ではないからです。売却されたい方にはインスペクション報告書は価値が上がり、売却を素早く決断できる一番の題材になるのでお勧めですねー。インスペクションはこんなスキームです。
定型の報告書がありますが、私はそこに付加価値をつけたいので、いろんなことを書いて報告しています。良いところ、良くない所も含めて全て情報を網羅。
今後のメンテナンスはこうされるといいという提案もしていますが、お客様が知りたいのはここだよね。
しかいねぇ・・・たまにものすごく酷いのを見たりします。頭に血が上るとはまさにこれ。
施工した会社と職人に聞いてやりたい「あんたの家なら、こんなことするのかよ??」と・・・
見えないところに建てた時の業者、職人の姿勢が出てきます。
以前築浅の中古分譲住宅の床下を見たときに、ゴミだらけ、水道管がブラブラ、古い材料をつなぎ合わせている、断熱材が破れたまま、床下の木材にカビを発見。
天井裏は構造の正確性、施工技量の良し悪し、正しい材料の選定、断熱材の入れ方など見ます。
写真の屋根裏は昔の棟梁がしっかりつくったもので二重丸物件。
築30年も経っているから建替えした方がいい、というのは違います。
日本には素晴らしい古民家や城などの伝統的建築物が残っています。築何年で古いから建替えた方がいいってそういう建物には言わないでしょ。
木造建築は古さではなく、適材適所の材選択と施工技術の確かさの2つ。それさえあれば世紀を超えても健在でい続けることができます。
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