築50年超のお住まいに住んでいらっしゃるというお話を聞き、期待で胸を膨らませて訪問させていただきました。
最近はただ古いというだけですぐに解体されてしまいます。
当時の職人たちの手わざが随所に残った耐久性の高い強い建物なのに、何でも新しくが今の日本の住宅事情。
旧宅が解体され、3区画、4区画に分割され分譲住宅が建てられる。複雑な気持ちです。
拝見したお住まいは見どころがいっぱいでしたよー。シリーズにして連載します★
まずは構造躯体。
屋根裏です。
垂木は桧の45㎜角か54㎜角のどちらか。
桧の垂木だから曲がりに強い。
荷重をしっかり支えてくれます。
色は黒くなっているけど現役バリ。
垂木の上に横たわっているのは、荒野地と言われる無垢の屋根下地材。
無垢材だから傷まない。
木は湿気さえなかったらそこが凄いんです。
最近はこの野地板に変わって合板と言うものがほとんどです。築50年経った時に接着剤が劣化する可能性があることは予想されます。
このお住まいはあと50年とっても変わっていないはず。
そういう建物をたくさん見てきました。
昔のものがすべて良くない、排除と言う考えではなく良いものを取り入れて新しい技術を取り入れる。
日本人は木と繋がり生きてきました。里山と言う言葉があるように、近くの山の木を薪にしたり、あるときは建物の骨組みにしたり、あるときは壁の板にしたり…。文化といえます。
日本は木の文化と私の若い頃は随分と耳にしましたが、最近は聞かないですね。
少し残念な気がします。このような築年数が立った建物を拝見するたびに、不易流行〜古くとも良いものは継続し、守っていきたいと教えてもらっています。