日本の木造住宅は100年以上経過している現存建物も結構あります。
部分的な傷みは出ますが、そこだけメンテナンスをすれば、大勢に影響なしなのです。
例えばこの古民家の屋根裏。
昨日書いたブログの古民家のものです。
色焼けした木材はピンピンの現役。
上から下に走っている木材は垂木と言います。
その上に左から右に横たわる木材は野地板と言います。野地板は屋根の下地です。
野地板の隙間に土らしきものが見えると思いますが、これは土です。土の上に瓦が載っています。
どうして100年以上もこのままで現役なのでしょうか?
答はとても簡単。
「木は自然に流れる空気を好む」
木は湿気をストックしようが、放出しようが、自然に流れる空気があれば腐朽菌が発生しないのです。
腐朽菌はシロアリが食べに来ます。
空気が流れず、湿気がずっと淀むと・・・腐朽菌が発生。そしてシロアリくんということになるのです。
だからこの垂木、野地板はむき出しでいつも自然に流れる空気と接していますから、傷まないのです。
木は濡れても乾けば傷まないということも知っててください。
倉敷の町で見かける黒塀は木です。野ざらしで雨ざらしです。それでも傷まない。
自然に流れる空気におかげで乾くからです。
法隆寺五重塔もまさにそれ。1300年。
当時の建築価格はいくらだったのでしょうか。
13億円とすると・・・1年あたり100万円・・・日本の住宅は2500万円として平均寿命(と言われている)25年。1年あたり100万円。
1年あたりの価値は同じで、1300年と25年ではえらい違いです。
長持ちした方がやはりいいです~。長持ちしなきゃ家ではないと私はいつも思っていますので(大工だもん、仕方ないです)、基本は一つ。
先人たちの知恵・・・原理原則の上に新しい技術の融合~原理原則とはまたお伝えします。この話は深いですよー。